ドイツ育成年代ゴールデンルール10か条
ドイツサッカー協会は育成年代のゴールデンルール10か条を決めました。
当たり前の事と思うかもしれませんが、良く現状を見つめ直すとできていないことに気づきます。この10か条が最適な試合形式を決めるベースとなりました。
※ 2.ボールの大きさ:
U-9まで3号球(290g)、U10以上を4号球(290~350g)を推薦します。日本では当たり前かもしれませんが、ドイツでは小さい子供も5号球を使用している現場をよく見かけますので、ドイツにとっては大きな改革といえるでしょう。私のスクールでは子供の体格にあったボールサイズを推薦しております。
低学年 公式戦にフニーニョを導入
フニーニョ(FUNiño)とは英語のFun(楽しさ)とスペイン語のNiño(子ども)から作られた言葉で、ドイツ人のHorst Wein(ホルスト・ヴァイン)氏によって開発されたミニサッカーの一種です。
ドイツではこれまで11歳以下のカテゴリーでは7人制で公式戦が行われてきましたが、ドイツサッカー協会の推奨により、ゴールデンルールに基づき2021年シーズンより9歳以下の試合に7人制ではなくフニーニョを導入することになりました。
フニーニョの基本ルール
- 少人数制 :人数は年代により異なる。(2 vs 2~5 vs 5)
※ フニーニョのベースは3 vs 3 - オフサイド:なし
- ゴールはシュートゾーン内からのみ認められる(3名制以上)
- タッチラインからボールが出た場合:シュートゾーン以外のタッチライン上からパスかドリブルでリスタート。
- コーナーキック:パスかドリブルでリスタート。
- ゴールキック 及び 失点:自陣のシュートゾーンからパスかドリブルでリスタート。
- フリーキック:間接フリーキック。相手シュートゾーン内でフリーキックを得た場合、最も近いシュートゾーンのライン上からリスタート。相手選手はボールから3m以上離れる。
- PK :なし
- ゴールが決まるごとに両チームとも1人ずつ選手を事前に決めた順番で交代する。及び 3分毎。
- 勝ちチームは上のフィールドへ、負けチームは下のフィールドへ移動する形式。
U-6:2 vs 2 フニーニョ
形式
チーム人数: 2名
大きさ:20m x 16m
ゴール:2m x 1,2m / 4つ
ボール:3号球
試合時間/回数:7分 / 5~7回
ゴールキーパー:なし
審判:なし ※
交代枠選手:Max.1名
試合前:握手を交わす事
両親:指示の援護可能
15m 距離を離れる
※ 審判: ドイツでは子供年代の試合では公式戦であっても審判をつけません。
自分たちで判断する事を養う為です。
U-7~ U-9:3 vs 3 フニーニョ
試合形式
チーム人数: 3名
大きさ:25m x 20m
シュートゾーン:6m
ゴール:2m x 1,2m / 4つ
ボール:3号球
試合時間/回数:7~10分 / 5~7回
ゴールキーパー:なし
審判:なし ※
交代枠選手:Max.2名
試合前:握手を交わす事
両親:指示の援護可能
15m 距離を離れる
特別ルール:3点差以上ついた場合、負けているチームは1名追加
※場合により:5 vs 5 形式を導入
U-10:5 vs 5 フニーニョ
試合形式
チーム人数: 5名
大きさ:40m x 25m
シュートゾーン:6m
ゴール:2m x 1,2m / 4つ
及び 5,0m x 2,0m /2つ
ボール:4号球
試合時間/回数:12分x6 /15分x4
ゴールキーパー:なし(4ゴール制)
あり(2ゴール制)
審判:なし ※
交代枠選手:Max.2名
試合前:握手を交わす事
両親:指示の援護可能
15m 距離を離れる
特別ルール:3点差以上ついた場合、負けているチームは1名追加
バリエーション:2ゴール制(GK付)を入れる。
フニーニョは、子供の自発性(アイディア)を育てる良い形式です。指導者や両親はポイント毎にアドバイスを与えるだけでよく、長い説明や点を取るためのアドバイスは不要です。ドイツサッカー協会が試合フィールドと両親との距離を置くルールを定めているのもその目的がある為です。子供独自に考えパスを利用する方法が実は良いことに気づいたり、逆サイドを利用したりアイディアが広まっていきます。団子サッカー解消にはとてもよい形式でしょう。
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